定年後の居場所探しなんて考えている人達がいるようだ。団塊の世代が引退していっているから、そういう事が話題になるのかもしれない。私の父も数年前に定年退職していた。そういえば「話す人が少なくなってなんだか寂しい」と言っていた。その時は話す人がいるだけ良いんじゃないだろうかとも思ったが、何も言わなかった。
私はまだ定年の年齢になるのは、かなり先の話だし、そもそも自営で会社をやっているから定年という概念はない。交流を持っている人はとても少なくて、基本一人で作業している。だから孤独感はいっそう感じるし、父の話を聞い時に「それのどこに寂しくなる要素があるのだろう」と思った。そういった事は人の主観だから、人それぞれの感じ方があるのだと思う。
定年後の居場所を探しているのであればOSSの開発に取り組んだり、貢献したりするというのはどうだろうかとふと思った。少しずつ取り組んでいけば必要ともされるし、基本的に英語だけれどコミュニケーションを取る必要もでてくる。基本的には寛容な事が多いし、学びにもなる。引退後の仕事になる可能性だってある。
パソコンを購入するのとインターネットの契約はした方が良いけれど、両方とも既にあるなら何も問題ない。すぐに始められる。よくわからないけれど動かせそうなOSSを探してみて、動かしてみるのがよいと思う。30個ぐらい試してみたら1つぐらい、よくはわからないけれど動かせると思う。その次は、ソースコードをダウンロードしてみると良いと思う。中を見てもきっとわからないけれど、それは現役の人達も最初に触るソフトウェアは同じ感じなので気にする必要はない。その次は、ソースコードを使ってビルドしてみると良いかもしれないし、設定ファイルがあるなら設定を変更してみても良いかもしれない。本当に少しずつだけれど1日1個ぐらい発見があって、ちょっとだけわかるようになったという事を感じれると思う。毎日ちょっとだけわかるようになるのを1年間続ければ成長を感じる事ができると思う。たぶん1年が一瞬で過ぎ去ってしまうようになると思うけれど。無料のIT関連の勉強会に参加してみる事も良いと思う。いろんな視点を持った人がいるだろうから、たぶんそこにいる人達は10も20も年下の人達だろうけれど、気にせず参加するのが良いと思う。
こういった活動の良い点の一つは、社会の役に立つという事だと思う。たくさんのユーザを抱えたソフトウェアであれ、ただのサンプルコードであれ、使っている人がいて小さいかもしれないけれど、その価値を提供していると思う。また、たとえ使われていなくても、どんな事に役立つかわからないから、ある事にも意味はあると思う。OSSや公開されたデータやモデルは、ちょっとおおげさになってしまうけれど、どんなものであれ人類の資産だと思うんだ。だからそういうことに取り組むという事は、人生に意味を与えてくれると思う。
他にもいろんな居場所はあると思う。それがどんなものなのかは私にはわからないけれど、実際には居場所なんていくらでもあるんだろう。居場所について考えている人がいるなら、OSSへの参加や貢献も頭の片隅に置いてもらえると嬉しいと思った。