手元PCを新調し、Appleシリコンマシンになった。早速Emacsをソースコードからビルド、インストールし起動する。カーソルを移動させていたら何か違和感を感じる。カーソル移動が遅いのだ。どこかもっさりする。このもっさりバージョンで暫く使ってみたが、強いストレスを感じる。もうダメだ、頭がおかしくなりそうだ。高々0.1秒ぐらいの遅延だろうけれど、遅いカーソル移動によって思考がいちいち停止させられる。
Appleシリコンはダメなのか?新しいEmacsに変な修正でも入ったか?カーソル移動時に呼ばれるフックに変な関数でも登録されたか?俺の頭の処理能力が限界を突破したのか?などとくだらない事を考えていろいろ調べたり、別のバイナリを試したり、ビルドしなおしたりと試行錯誤していた。
しかし、問題はもっと基本的な所にあった。macOSの設定だ。macOSのキーボードの設定には「キーのリピート速度」と「リピート入力認識までの時間」という項目がある。「キーのリピート速度」は同じキーを押し続けた時にどれぐらいのスピードで入力したとみなすか、「リピート入力認識までの時間」は同じキーを押し続けた時にどれぐらいの時間でリピート入力と判断するかという設定だ。
もう、間違いなくこれだった。以前使っていたマシンもそれらを設定していたはずだが、昨日より昔の事は全て忘れてしまったので記憶には残っていなかった。
さあ、今すぐ「キーのリピート速度」を「速い」に、「リピート入力認識までの時間」を「短い」に設定するんだ。遠慮はいらない。何も考えず一番右まで設定値を振り切らせればいい。何はともあれ、僕はこれで快適さを取り戻した。