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所要時間: 約 2分

システムを開発したり、書籍の翻訳や技術監修、またこういった文章を書いたりすると、自分の能力不足を痛感する。今日はサービス間のデータ移行について調べていた。そこでは暗号技術が使われていて、自身と相手の正しさを証明するためにデジタル署名を用いていた。暗号技術についてのツールはいくつかある。OpenSSLもそうだし、PGP(Pretty Good Privacy)やOpenPGP系のツール、GnuPGがよく用いられたり組み込まれるなどして利用される。もちろん名前は知っている。どのようなものかもざっくりとは知っている。ただし人に説明できるかと言われると説明できるほど知識はなく実践経験も少ない。また最近よく用いられる楕円曲線暗号についての知識も乏しい。そのため、今日はこれらの知識の整理と素振りをしていた。PGPの開発者フィリップ・ジマーマン氏のPGP開発に至るストーリー、PGPのソースコードを書籍として出版したこと、その後のビジネスで苦戦する様や、リチャード・ストールマン氏の呼び掛けに応じ、コッホ氏を中心としたハッカーがGnuPGを開発したストーリーを読み、とても凄い時代に生きていると実感した。

私はそういったスーパースタープレイヤーではないから、ただひたすら目の前の仕事を進めている。それで良い。自分にできることをしっかりやりたいと思う。最近よく考えるということは、自由ソフトウェアやオープンソースといった考え方は、多様な社会の強さそのもののように感じる。誰かが力尽きても必要であれば誰かがバトンを引き継いでいく。そう考えると、今日私が仕事で関わっているサービスのドキュメントのタイポを修正することも、結構悪くないなと思える。そんなことを考えていた。