2022年04月04日にEmacs 28系である28.1がリリースされた。 主な修正内容は以下である1。
- Lispファイルのネイティブコンパイル
- HarfBuzzを使用したテキストの整形とCairoを使用した描画
- セキュアコンピューティングフィルターのロードのサポート
- 絵文字と絵文字シーケンスの表示が大幅に改善されました
- 機能のグループを文書化するための新しいシステム
- コンテキストメニューのマイナーモード
- モード固有のコマンド
- Emacsはデフォルトで一致する括弧を表示します
- project.elに対する多くの改善と拡張
私はGitでソースコードを取得して野良ビルドしたEmacsを使用しているのでかなり前から28系を使用していた。 しかし28系は便利機能が結構入っていたため、はやくリリースされないかなと待ち侘びていた。 特に気に入っていた機能はxwidget-webkitの機能だ。 WebKitGTKを用いることでEmacs上でWebブラウジングをする機能は、かなり前からサポートしていた。 しかしmacOS上でその機能を使用するのはとても面倒だった。macOS上でwebkitをネイティブサポートすることが望ましい。 そしてそれを実装する猛者が登場した2。 しかしその機能を使用するためにパッチを当て、Emacsをビルドしなおす必要があった。 私も一時期手動でパッチを当ててビルドして使用していた。
そうこうしている内にEmacsのメインブランチにCocoa版xwidget-webkitサポートの修正が取り込まれた。
もうパッチを当てる必要はなくなった。
しかし公式リリースされているわけではないため、ソースコードからビルドする必要はあった3。
自分で使うには特に問題にはならないが、他人にお勧めするには敷居が高すぎた。
Emacs 28.1がリリースされたことで、他のユーザーにもxwidget-webkitを利用してもらえるようになると良い。
気になるのはmacOS用バイナリはxwidget-webkitが使用できるように --with-cocoa
が有効な状態でビルドされているかということだ4。
リリースノートには特に記述がない。もし有効でないのであれば依然として野良ビルドを続けることになりそうだ。
確認する必要がある。
脚注
確認したところ Emacs for Mac OS Xでダウンロード可能なEmacsはxwidget-webkitが無効な状態でビルドされていた。そのためまだ野良ビルドしたEmacsを使うことにした。